
この記事で学べること
買い替えローンの基本仕組み
オーバーローン状態でも住み替え可能な仕組みとダブルローン・つなぎ融資との違い
審査基準と手続きの流れ
厳格な審査基準から同日決済まで、6ステップの詳細な手続きガイド
税金対策と注意点
住宅ローン減税、譲渡所得税の特例、諸費用まで実務的なポイント
現在の住まいに住宅ローンが残っている場合でも、「買い替えローン(住み替えローン)」を活用すれば新居への住み替えが可能です。
買い替えローンとは、新居購入資金に加え、今の住まいの残っている住宅ローン残債をまとめて借り入れできるローンのことです。
住宅ローン返済中に住み替えを検討している首都圏の方に向けて、買い替えローンの仕組みや利用方法、注意点をわかりやすく解説します。ダブルローンやつなぎ融資との違い、審査基準から実際の手続き、税金・登記面のポイントまで網羅し、最後には専門家サポートについても紹介します。
買い替えローンとは?住宅ローンとの違い
買い替えローンの基本概念
買い替えローン(住み替えローン)とは、現在の自宅の売却代金だけでは住宅ローンを完済できない場合に、不足分も含めて新居の購入資金と一本化して借りられる住宅ローンです。
通常、住宅ローンは購入する物件価格(担保評価額)の範囲内までしか借入できません。しかし、買い替えローンでは「旧居のローン残債」+「新居の購入費用」を合算した額を借りられる点が大きな特徴です。
そのため、オーバーローン(売却代金よりローン残高が多い状態)でも住み替えを実現できる手段として、多くの金融機関が提供しています。
通常の住宅ローンとの違い
従来の住宅ローン
新居の価格以内での借入が基本。物件価格を超える借入は原則不可
買い替えローン
旧居売却後に残る赤字分も上乗せして借入可能。新居費用 + 旧ローン残債不足分を一括借入
具体例
現在のローン残高2,500万円、売却見込み額2,000万円の場合
→ 500万円不足分 + 新居購入費用を一括借入可能
借り換えローンとの違い
借り換えローン
今の住宅ローンの借入先を他行に変えて金利を下げ、返済負担を減らすための手続き(住宅は変わらない)
買い替えローン
現在の住まいを売却して新居へ移るためのローン。住宅購入資金と旧ローン返済資金を合わせて新規借入
重要:目的も仕組みも全く異なるので、混同しないよう注意しましょう
ダブルローン・つなぎ融資との比較
買い替えローン以外にも、住宅ローンが残る家の住み替えでは「ダブルローン」や「つなぎ融資」といった方法があります。
それぞれの特徴と適用シーンを理解して、最適な手段を選びましょう。
買い替えローン
仕組み
2つの資金需要を一本化。旧ローン残債 + 新居購入費用を合算して借入
適用シーン
- 売り先行・買い先行を問わず
- 旧居売却で損が出る場合
- オーバーローン解決策として最適
メリット・デメリット
✓ 二重ローン期間を極力作らない
✓ 家計管理しやすい
✗ 借入額が膨らみやすい
✗ 金利が高め
ダブルローン
仕組み
現居のローンを残したまま新居の住宅ローンを並行して組む。2本のローンが同時存在
適用シーン
- 買い先行で資金に余裕がある場合
- 旧居に住み続けながら新居購入
メリット・デメリット
✓ 旧居売却まで現宅に住み続けられる
✗ 二重返済期間が生じる
✗ 家計負担が重い
✗ 審査が非常に厳しい
つなぎ融資
仕組み
短期のつなぎローンで新居購入資金を一時立替え。旧居売却後に全額返済
適用シーン
- 買い先行で旧居の売却益を短期で見込める場合
- 売却代金で完済可能な場合
メリット・デメリット
✓ 二重ローン期間なし
✗ 金利が高め(年利3%前後)
✗ 手数料がかかる
✗ 売却遅れリスク
買い替えローンの最大のメリット
買い替えローンは他の方法と比べて「旧宅の売却損をカバーできる」点が最大のメリットです。二重ローン期間を極力作らず、不足資金を一本化できるため家計管理しやすい利点があります。一方で借入額増大による返済負担には十分な備えが必要です。
買い替えローンの審査基準と利用条件
通常の住宅ローンより厳しい審査
買い替えローンは新居の購入費用に加えて旧居のローン残債も含むため、借入額が大きくなり、通常の住宅ローンより審査基準が厳格になります。
金融機関によっては「担保評価額を超える借入」となるため、より慎重な審査を行います。事前の準備と条件確認が成功の鍵となります。
年収・返済負担率の条件
年収基準
- 最低年収:400万円以上(多くの金融機関)
- 安定性:勤続年数3年以上
- 雇用形態:正社員・公務員が有利
返済負担率
年収に占める年間返済額の割合
- 年収400万円未満:30%以下
- 年収400万円以上:35%以下
- 買い替えローン:30%以下が目安
計算例
年収600万円の場合
→ 年間返済額180万円以下(月15万円以下)
→ 借入可能額:約4,500万円
勤続年数・雇用形態
理想的な条件
- 勤続年数:3年以上(転職直後は不利)
- 雇用形態:正社員・公務員
- 企業規模:上場企業・大手企業は有利
注意が必要なケース
- 転職後1年未満
- 契約社員・派遣社員
- 自営業・フリーランス
自営業の場合
直近3年分の確定申告書が必要。売上が安定していることが重要
信用情報・他の借入状況
信用情報の確認ポイント
- 過去5年間の延滞履歴
- 債務整理・自己破産歴
- 現在の借入状況
他の借入への影響
- クレジットカードのキャッシング
- カードローン・消費者金融
- 自動車ローン
- 教育ローン
審査への影響
他の借入が多いと返済負担率が上がり、審査に不利。事前整理を検討
物件・担保に関する条件
新居の条件
- 築年数:一戸建て25年以内、マンション35年以内
- 構造:耐火構造・準耐火構造
- 面積:床面積50㎡以上
- 接道:幅員4m以上の道路に2m以上接道
- 用途地域:住居系用途地域内
旧居の条件
- 抵当権設定:現在の住宅ローンの担保として設定済み
- 売却見込み:3〜6ヶ月以内に売却可能
- 査定額:複数業者での査定実施
- 残債状況:正確な残債額の把握
担保評価の考え方
- 新居評価額:購入価格の80〜90%程度
- 総借入額:新居評価額を超える場合あり
- リスク評価:旧居売却確実性が重要
- LTV:担保価値に対する借入比率
金融機関による条件の違い
メガバンク
✓ 安心感・信頼性
✓ 全国対応
✗ 審査が厳格
✗ 金利が高め
地方銀行
✓ 地域密着
✓ 柔軟な審査
✗ 営業エリア限定
✗ 商品種類が少ない
ネット銀行
✓ 低金利
✓ 手続きが簡単
✗ 買い替えローン取扱少
✗ 対面相談なし
信用金庫
✓ 親身な対応
✓ 地域事情に精通
✗ 営業エリア限定
✗ 金利競争力
住み替えの手続きの流れ(6ステップ)
買い替えローンを活用した住み替えは複雑な手続きが必要です。
同日決済が基本となるため、スケジュール管理と事前準備が成功の鍵となります。
現在の住宅ローン残債と売却査定の確認
ローン残債の正確な把握
- 毎月の返済予定表で残債額確認
- 金融機関に正確な残債額を照会
- 完済に必要な一括返済額の確認
- 期限前完済手数料の確認
不動産の売却査定
- 複数の不動産会社に査定依頼
- 一括査定サイトの活用
- 近隣の相場調査
- 売却可能時期の確認
オーバーローン額の計算
ローン残債 - 売却予想額 = オーバーローン額
この金額が新居購入費用に上乗せされる借入額となります。
新居物件の選定と購入申し込み
物件選定のポイント
- 総借入額に見合った物件価格
- 築年数・構造の確認
- 住宅ローン対象物件の条件
- 将来の資産価値を考慮
購入申し込み手続き
- 購入申込書の提出
- 手付金の準備(物件価格の5〜10%)
- 重要事項説明の確認
- 契約条件の交渉
重要なポイント
「ローン特約」を必ず付与しましょう。買い替えローンの審査が通らない場合、契約解除ができるよう保護する条項です。
買い替えローンの事前審査申し込み
金融機関選び
- 買い替えローン商品の比較
- 金利・手数料の確認
- 審査基準の把握
- 複数行への並行申し込み
必要書類の準備
- 年収証明書(源泉徴収票等)
- 現在のローン残高証明書
- 新居の売買契約書(案)
- 旧居の査定書
審査期間の目安
事前審査:3〜7日程度 / 本審査:1〜2週間程度
買い替えローンは通常の住宅ローンより時間がかかる場合があります。
旧居の売却活動開始
不動産会社との媒介契約
- 専属専任媒介契約が一般的
- 売却活動の方針決定
- 広告・宣伝方法の確認
- 売却スケジュールの共有
売却価格の設定
- 査定価格を基に売出価格決定
- 市場動向の把握
- 最低売却価格の設定
- 価格調整のタイミング検討
スケジュール管理のコツ
新居の決済日から逆算して売却活動を開始。3〜6ヶ月程度の余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
本審査申し込みと契約手続き
買い替えローン本審査
- 事前審査通過後の本格審査
- 詳細な書類提出
- 物件の担保評価
- 最終的な借入条件の確定
新居の売買契約締結
- 本審査承認後の契約締結
- 手付金の支払い
- 決済日の調整
- ローン条項の最終確認
注意すべきポイント
旧居の売却契約も並行して進める必要があります。新居決済日に合わせて旧居の決済日を調整します。
同日決済の実行
決済の流れ
- 午前:旧居の決済・引き渡し
- ローン残債の一括返済
- 午後:新居の決済・引き渡し
- 買い替えローンの実行
必要な手続き
- 所有権移転登記
- 抵当権の設定・抹消
- 火災保険の切り替え
- 各種住所変更手続き
成功のポイント
司法書士・金融機関・不動産会社との綿密な連携が重要です。当日の段取りを事前に十分確認しておきましょう。
住み替え成功のための重要ポイント
余裕のあるスケジュール
6ヶ月以上の準備期間を確保
専門家との連携
不動産会社・金融機関との密な連携
資金計画の精度
諸費用を含めた正確な資金計画
リスク管理
ローン特約等の保護条項活用
税金対策と注意点
買い替えローンを利用した住み替えでは、住宅ローン減税・譲渡所得税・登記費用など、
様々な税制優遇と費用が発生します。事前の対策で大幅な節税が可能です。
住宅ローン減税の適用
2024年の控除額
- 新築住宅:年間最大35万円(13年間)
- 既存住宅:年間最大21万円(10年間)
- 控除率:年末ローン残高の0.7%
買い替えローンでの注意点
- 控除対象は新居部分のローン残高のみ
- 旧ローン残債分は控除対象外
- 借入限度額の範囲内での適用
節税のポイント
新居部分のローン額を正確に分離し、控除を最大限活用しましょう
譲渡所得税の特例
3,000万円特別控除
- 控除額:売却益から最大3,000万円控除
- 適用条件:居住用財産の売却
- 居住期間:売却年を含む3年以内に居住
買い替え特例
- 新居価格が旧居売却価格以上の場合
- 譲渡所得税の繰り延べが可能
- 将来売却時に課税される
併用の注意点
3,000万円特別控除と買い替え特例は併用不可。どちらが有利か検討が必要
登記費用と諸費用
主な登記費用
- 所有権移転登記:物件価格の0.2〜0.4%
- 抵当権設定登記:借入額の0.4%
- 抵当権抹消登記:不動産1個につき1,000円
- 司法書士報酬:10〜20万円程度
その他の諸費用
- 仲介手数料:売却額の3.3%+6.6万円
- 印紙税:契約書の金額に応じて
- 火災保険:年間1〜3万円程度
- 引っ越し費用:10〜30万円程度
費用の目安
総費用は新居価格の5〜8%程度を見積もっておきましょう
買い替えローン利用時の重要な注意点
金利リスク
- 買い替えローンは金利が高めに設定
- 変動金利の場合は将来の金利上昇リスク
- 借入額が大きいため金利の影響も大
- 繰り上げ返済による負担軽減を検討
返済負担の増大
- 旧ローン残債分上乗せで借入額増加
- 月々の返済額が従来より高額に
- 返済期間の長期化
- ライフプランへの影響を慎重に検討
売却リスク
- 旧居の売却が予定通り進まない可能性
- 想定より低い価格での売却リスク
- 売却時期の遅れによる資金繰り悪化
- 市場環境の変化への対応準備
リスク軽減のための対策
返済シミュレーション実施
緊急資金の確保
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