住宅ローンが残っている家は売れる?抵当権抹消登記と完済の流れ

住宅ローンが残っている家は売れる?抵当権抹消登記と完済の流れ
ローンが残る家の売却
抵当権抹消ガイド

「住宅ローンがまだ何千万円も残っているのに、家なんて売れるのだろうか」——転勤や住み替えで売却を考え始めた方から、よくいただくご質問です。結論から言えば、住宅ローンが残っていても、売り出しや売買契約は可能です。通常の売買では、決済日に売却代金などでローンを完済し、所有権移転登記とあわせて金融機関が設定した抵当権(ローンの担保として不動産につけられる権利)の抹消登記を申請します。

この記事でわかること

  • ローン残債があっても売れる理由 — 売却代金で一括返済する仕組み
  • 抵当権を外す必要がある理由 — 買主側が求める条件
  • アンダーローンとオーバーローン — 売却額と残債の大小による進め方の違い
  • 抵当権抹消登記の手続き — 必要書類と登録免許税
  • 売却のタイムライン — 金融機関への確認から引渡しまで

住宅ローンが残っていても家は売れる

住み替えや転勤にともなう売却では、ローン残債がある状態で売り出すのがむしろ一般的です。決済日(残代金決済・引渡し日)には、買主から受け取った残代金をその場で金融機関への一括返済に充て、司法書士が抵当権抹消登記と所有権移転登記をまとめて申請します。これらの手続きがすべて同じ日・同じ場で同時に進むのがポイントです。

💡 ポイント
「完済してから売る」のではなく、「売った代金で完済する」のが通常の順序です。
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抵当権とは?売却前に外す必要がある理由

住宅ローンを借りるとき、金融機関は購入した土地・建物に抵当権を設定します。抵当権とは、返済が滞った場合にその不動産から他の債権者に優先して弁済を受けられる権利です(民法369条)。この抵当権は登記されていれば買主にも対抗でき(民法177条)、被担保債権(ローン)が弁済されなければ、買った家が競売の対象となり得ます。そのため通常の住宅売買では、決済時に既存の抵当権を抹消できることが取引の条件となります。

⚠️ 注意
ローンを完済しても、抵当権の登記は自動では消えません。登記簿から消すには別途「抵当権抹消登記」の申請が必要です。売却前に登記事項証明書で現状を確認しておきましょう。

売却額でローンを完済できるケース/できないケース

売却を具体化する前に、「売却見込額」と「ローン残高+売却諸費用」のどちらが大きいかを確認します。ここで進め方が変わります。

アンダーローン(売却額が残債を上回る)の場合

売却代金で残債と諸費用をまかなえるため、資金面では進めやすいケースです。決済日に一括返済して抵当権を抹消し、残った金額が手元に入ります。ただし、他の担保権や共有名義の有無によって手続きが変わることがあるため、登記事項証明書で確認しておきましょう。

オーバーローン(売却額が残債に届かない)の場合

売却代金だけでは完済できないため、不足分を自己資金で補うのが基本です。住み替えであれば、新居のローンに不足分を上乗せできる「住み替えローン(買い替えローン)」を扱う金融機関もあります。取扱いは金融機関ごとに異なるため、早めに相談してください。

📌 まず確認する2つの数字
ローン残高(残高証明書・返済予定表・ネットバンキングで確認)
売却見込額(査定で把握。仲介手数料などの諸費用も差し引いて考えます)

抵当権抹消登記の手続き・必要書類・登録免許税

完済すると、金融機関から抹消登記に必要な書類一式が交付されます。一般的には解除証書(弁済証書)登記識別情報(登記済証)、金融機関の委任状などです。登記は原則として登記権利者と登記義務者が共同で申請するため(不動産登記法60条)、実務では決済に立ち会う司法書士へ委任します。

抵当権抹消登記の際にかかる税金である登録免許税は、原則として不動産1個につき1,000円です(登録免許税法別表第一 一(十五))。土地1筆と建物1棟なら「2個」で2,000円という計算になります(同一の申請書で20個を超える不動産をまとめて抹消する場合は、申請1件につき2万円という例外もあります)。これとは別に司法書士報酬がかかり、金額は依頼先によって異なります。

📝 一括繰上返済の手数料も確認を
ローンの一括繰上返済には金融機関所定の手数料がかかる場合があります。金額や手続きは金融機関ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

売却の流れ:金融機関への確認から引渡し・抹消登記まで

ローン残債がある場合、通常の流れに「金融機関とのやり取り」が加わります。

ステップ やること
1. 残高と相場の確認 ローン残高を確認し、査定で売却見込額を把握
2. 媒介契約・販売開始 不動産会社に残債を共有し売却活動を開始
3. 売買契約 引渡しまでに抵当権を抹消する前提で条件を合意
4. 金融機関へ申し出 決済日を伝えて一括返済を申込み、抹消書類を確認
5. 決済・引渡し日 残代金を受領し一括返済。司法書士が抹消登記と所有権移転登記を申請

一括返済の申し出には日数がかかることがあるため、決済日が決まったら早めに金融機関へ連絡し、不動産会社・司法書士と当日の段取りを詰めておきましょう。

まとめ

住宅ローンが残っている家でも、売却は問題なく進められます。大切なのは、ローン残高と売却見込額を早めに把握すること、そして決済時に抵当権を抹消できる段取りを組むことの2点です。

借入契約の内容(処分制限や期限の利益喪失条項など)や、オーバーローン時の金融機関の承諾手続き、返済条件・登記手続きの詳細は、借入先の金融機関や司法書士にもご確認ください。そのうえで、まず取るべき一歩は「今の家がいくらで売れそうか」を知ることです。

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