引っ越しが落ち着いた頃、見慣れない封筒が届く。マイホームを買った方が入居後しばらくして受け取るのが不動産取得税の納税通知書です。軽減措置が適用されて数万円で済むこともあれば、数十万円の請求になることもあります。この記事では、届く時期・税額の計算・軽減の申請手順を順に整理します。
この記事でわかること
- 届く時期と対象 — 相続は非課税、売買・新築・贈与は課税
- 税額の計算 — 特例税率3%、宅地の1/2、免税点のライン
- 軽減の使い方 — 新築1,200万円控除と住宅用土地の減額、申告の流れ
不動産取得税とは?いつ・誰に・どう届く
不動産取得税は、土地や建物を取得したときに一度だけかかる都道府県税です。毎年かかる固定資産税とは別物で、有償・無償や登記の有無を問わず、取得の事実に対して課されます。
- 課税される — 売買、新築、増築、贈与、交換による取得
- 非課税になる — 相続(包括遺贈など)による取得
- 納める先 — 不動産がある都道府県。東京都なら都税事務所
- 納め方 — 送られてくる納税通知書で、指定された期限までに納付
通知書は取得と同時には届きません。都税事務所などが軽減の調査や評価を行ってから発送するため、届くまでの期間は事案ごとに異なり、新築家屋は評価に時間がかかることもあります。住宅ローンの返済が始まった頃に届くため、想定外の出費になりやすい税金です。
買い替えで今の家の売却も検討している方は、売却の見通しと合わせて考えると資金計画が立てやすくなります。
税額の計算方法:評価額 × 税率
計算式は「不動産の価格(原則として固定資産課税台帳〔自治体が持つ評価額の記録〕に登録された固定資産税評価額)× 税率」です。台帳に登録がない新築などは、都道府県知事が固定資産評価基準に基づいて決めます(地方税法73条の21)。購入価格より一般に低い金額です。
- 税率の原則は4%(地方税法73条の15)
- 住宅と土地は3% — 2027年3月31日までの取得が対象の特例税率(同法附則11条の2)。住宅以外の家屋は4%のまま
- 宅地は評価額の1/2 — 2027年3月31日までの取得は、価格の1/2が課税標準(税額計算のもとになる金額)になります(同法附則11条の5)
2026年4月1日以後の取得では、課税標準がこの額に満たなければ課税されません。土地は16万円、新築・増築・改築に係る家屋は一戸66万円、売買などその他の家屋は一戸34万円です。
軽減措置とシミュレーション
マイホームであれば、次の2つの軽減が大きく効きます。
- 新築住宅の1,200万円控除 — 一戸につき価格から1,200万円を控除(地方税法73条の14第1項)。2026年4月1日以後の取得は、原則として床面積が40㎡以上240㎡以下であることが条件で、マンションは専有部分に共用部分を按分した面積で判定します(同法施行令37条の16)
- 中古住宅の控除 — 個人が自己居住用に取得し、耐震基準〔地震への強さの基準〕に適合する住宅が対象。床面積要件は新築と同じで、控除額は新築された年月日に応じて100万円〜1,200万円と異なります(同法73条の14第3項、同法施行令37条の18)
- 住宅用土地の減額 — 一定の要件を満たす場合、税額から「4万5,000円」または「土地1㎡あたりの課税標準額 × 住宅の床面積の2倍(200㎡が上限)× 3%」の大きい方を差し引きます(同法73条の24)
東京都内で新築マンション(共用部分按分後の床面積70㎡、建物の評価額1,500万円、敷地持分の評価額2,000万円・持分相当面積60㎡、単独取得)を取得した場合の概算です。
| 項目 | 軽減を使う場合 | 住宅の軽減を使わない場合 (3%・宅地1/2は適用) |
|---|---|---|
| 建物 | (1,500万−1,200万)×3% = 9万円 | 1,500万×3% = 45万円 |
| 土地 | 30万円 − 減額約70万円 → 0円 | 1,000万×3% = 30万円 |
| 合計 | 約9万円 | 約75万円 |
土地は、課税標準1,000万円(2,000万円 × 1/2)に対する税額30万円から、面積に応じた減額約70万円(約16.7万円/㎡ × 140㎡ × 3%)を差し引けるため、0円になります。軽減の有無で60万円以上の差が出る計算です。数値は概算で、実際は固定資産税評価額と持分・面積の実数によります。
手続きと注意点
軽減は自動で付くとは限りません。原則として申告(申請)が要件とされており(地方税法73条の14第4項)、条例で定める申告をしなくても要件を満たせば適用できる旨の規定もあります(同第5項)。申告は通知書の前後どちらのケースもあるため、都道府県税事務所の案内に従ってください。
- 必要書類は取得の形や自治体によって異なります(東京都では2026年1月から登記事項証明書の添付を省略可)。最新の案内を都税事務所で確認してください
- 中古住宅の控除は自己居住用が条件です。新築住宅の控除や土地の減額は賃貸用でも要件を満たせば対象になり得ますが、専ら保養用の別荘は対象外です
- 床面積要件の40㎡への緩和は2026年(令和8年)4月1日以後に取得する新築・中古住宅が対象です。ただし東京都特別区内の特定都市再生緊急整備地域にある貸家以外の新築住宅は、2031年3月31日まで下限50㎡のままです
- 「通知書が来ない=非課税」ではありません。免税点未満や軽減後0円のほか、評価に時間がかかっている場合もあります
まとめ
- 不動産取得税は取得時に一度だけかかる都道府県税で、通知書が届く時期は事案ごとに異なります
- 計算は固定資産税評価額 × 3%(住宅・土地、2027年3月31日までの取得)が基本です
- 新築の1,200万円控除と住宅用土地の減額が効くと、税額が大きく下がります
- 軽減は原則申告制。時期・書類は都道府県税事務所や税理士にご確認ください
住み替え・マイホーム購入の税金でお悩みの方へ
取得税や諸費用まで含めた総額は、購入と売却の段取りで変わります。
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